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令和3年3月定例会会派代表質問(はじめに/令和3年度当初予算(案)の概要/徹底した行政改革/安心の子育て/頼れる福祉/便利なインフラ/活気ある地域/誇れるまち/むすびについて)
【要旨】
1 はじめに(1~2ページ)
(1)“引き続き、新型コロナウイルス感染症への対応を最重要課題として全力で取り組んでいく”とありますが、現状行っている対応と今後の取組について伺います。
(2)“つくば市SDGs未来都市計画に掲げる持続可能なまちづくりに向け、これまでの4年間の取組を更に本格化させていく”とありますが、具体的に何を行っていくのかお教えください。
また、市民意識調査を見ると市民へ認知度が行き渡っていないとも思われますが、その点どのように考えているか伺います。
(3)周辺市街地(8市街地)の取組の今後の展開について伺います。
(4)地域課題の解決等を目指し、準備を進めているスーパーシティ構想に対する市長の思いを伺います。
(5)一人一台の児童生徒用パソコンの整備が進みました。今後、これらを現場でどのように活用していくかが重要であると思います。“効果的に活用していくことで、質の高い学びを実現していく”とありますが、どのように行っていくのか伺います。
2 令和3年度当初予算(案)の概要(2~3ページ)
新年度の予算配分に関し、主にどのような点を考慮し行ったか伺います。
また、今後の財政見通しについて改めてお教えください。
3 徹底した行政改革(3~4ページ)
(1)業務効率の取組としてAI等の最先端技術に言及されていますが、具体的にどう行っていくかお伺いいたします。
(2)市民に寄り添う市政を担う職員、自ら考え行動する職員の育成と職員の育成に言及されていますが、1期4年を経て職員に対する思いや求めるものなどの市長の考えをお聞かせください。
4 安心の子育て(4ページ)
(1)保育行政の現状と課題についてお聞かせください。
また、保育環境の更なる充実に向けて公立保育所には言及されていますが、保育行政を担う民間保育所に関する市長の考えをお伺いします。
(2)教育大綱の理念を学校現場で体現して行くに当たり、現状の課題と今後の展望をお伺いいたします。
5 頼れる福祉(5ページ)
(1)身近な地域で運動や趣味の活動ができる高齢者憩いの広場づくりについて、どのようなニーズがあり、今後どのように行っていくのか伺います。
(2)春日消防本部跡地での児童発達支援センターの整備とありますが、現在の進捗状況について伺います。
6 便利なインフラ(5~6ページ)
(1)公共施設等に関し“分析できるシステムを新たに導入し、適切な管理を推進する”とありますが、この間つくば市公共施設等総合管理計画内で示されたロードマップに記載のある取組を運用する中で見えてきた課題や新たなシステムの導入で期待されること、また、この分野に関する市長の考えをお聞かせください。
(2)都市計画道路について言及されていますが、その推進は、渋滞対策や地域の発展、まちづくりにおいて大変重要なものであると考えております。
今年度事業化されるもの、または、今後の見通しについてお教えください。
7 活気ある地域(6ページ)
(1)市長のマニフェストには、活気ある地域、地元産業の持続的な発展、「総合評価方式の拡充等さらなる入札改革」と掲げられております。
所信内では「地元産業の支援」のみで、具体的に触れられていませんが、この「さらなる入札改革」について市長の見解を求めます。
(2)スタートアップの取組の現状と課題、今後の展望について伺います。
また、この分野に関する市長の思いも併せてお教えください。
8 誇れるまち(7ページ)
(1)改めて魅力ある中心市街地にするための取組について伺います。
また、中心市街地に対する市長の考えを伺います。
(2)所信にはありませんが、市長のマニフェストには、誇れるまち、「公園の魅力をさらに引き出す」と掲げられております。
つくば市の魅力の一つは、緑豊かな住環境と各地域に点在する「公園」であろうと思いますが、それらの活用に対する市長の見解を伺います。
9 むすびについて(7~10ページ)
「世界のあしたが見えるまち」を実現すべく、4年間尽力されてきたと思います。今後4年間で、さらに推し進めていくに当たり、市長の思いをお聞かせ下さい。
また、今回は「ともに創る」という言葉も掲げ、現在市政運営に臨んでいると思います。
2期目として最初の所信表明に当たり、その言葉に込められた思いをお聞かせください。
【会議録】
黒田健祐:
つくば自民党・新しい風の会派代表質問を通告に従い行います。
つくば自民党・新しい風は、小久保貴史議長を輩出させていただき、久保谷孝夫議員、ヘイズジョン議員、五頭泰誠議員、神谷大蔵議員、長塚俊宏議員、そして私、黒田健祐の7名の会派であります。つくば市議会最大会派としての責任を自覚し、公益と民意を常に意識しながら市政運営に当たらせていただいております。つくば市の未来を見据えた責任ある政治を行い、つくば市のさらなる発展を目指し、市民の皆様の声に寄り添い、山積する課題にしっかり対応していくことを申し上げ、質問に移ります。
まず、「はじめに」について伺います。
(1)「引き続き、新型コロナウイルス感染症への対応を最重要課題として全力で取り組んでいく」とありますが、現状行っている対応と今後の取組について伺います。
(2)「つくば市SDGs未来都市計画に掲げる持続可能なまちづくりに向け、これまでの4年間の取組を更に本格化させていく」とありますが、具体的に何を行っていくのかお教えください。また、市民意識調査を見ると市民への認知度が行き渡っていないとも思われますが、その点どのように考えているか伺います。
(3)周辺市街地(8市街地)の取組の今後の展開について伺います。
(4)であります。地域課題の解決等を目指し、準備を進めているスーパーシティ構想に対する市長の思いを伺います。
(5)であります。1人1台の児童生徒用パソコンの整備が進みました。今後、これらを現場でどのように活用していくかが重要であろうと思います。「効果的に活用していくことで、質の高い学びを実現していく」とありますが、どのように行っていくか伺います。
2番、令和3年度当初予算(案)の概要についてであります。
新年度の予算配分に関し、主にどのような点を考慮し行ったか伺います。また、今後の財政見通しについて改めてお教えください。
3番、徹底した行政改革についてであります。
(1)業務効率化の取組としてAI等の最先端技術に言及されていますが、具体的にどう行っていくか伺います。
(2)市民に寄り添う市政を担う職員、自ら考え行動する職員の育成と、職員の育成に言及されていますが、1期4年を経て、職員に対する思いや求めるものなどの市長の考えをお聞かせください。
4番、安心の子育てであります。
(1)保育行政の現状と課題についてお聞かせください。また、保育環境のさらなる充実に向けて公立保育所に言及されていますが、保育行政を担う民間保育所に関する市長の考えをお伺いいたします。
(2)であります。教育大綱の理念を学校現場で体現していくに当たり、現状の課題と今後の展望をお伺いいたします。
5番、頼れる福祉についてであります。
(1)身近な地域で運動や趣味の活動ができる高齢者憩いの広場づくりについて、どのようなニーズがあり、今後どのように行っていくか伺います。
(2)「春日消防本部跡地での児童発達支援センターの整備」とありますが、現在の進捗状況についてお伺いをさせていただきます。
6番、便利なインフラであります。
(1)公共施設等に関し「分析できるシステムを新たに導入し、適切な管理を推進する」とありますが、この間、つくば市公共施設等総合管理計画内で示された、ロードマップに記載のある取組を運用する中で見えてきた課題や新たなシステムの導入で期待されること、また、この分野に関する市長の考えをお聞かせください。
(2)都市計画道路について言及がありますが、その進捗は、渋滞対策や地域の発展、まちづくりにおいて大変重要なものであると考えております。新年度事業化されるもの、また、今後の見通しについてお教えください。
7番、活気ある地域であります。
(1)市長のマニフェストには、活気ある地域、地元産業の持続的な発展、「総合評価方式の拡充等さらなる入札改革」と掲げられております。所信内では「地元産業の支援」のみで具体的に触れられておりませんが、この「さらなる入札改革」について、市長の見解を求めます。
(2)です。スタートアップの取組の現状と課題、今後の展望について伺います。また、この分野に関する市長の思いも併せてお教えください。
8番です。誇れるまちについてであります。
(1)改めて魅力ある中心市街地にするための取組について、また、中心市街地に対する市長の考えを伺います。
(2)です。所信にはありませんが、市長のマニフェストには、誇れるまち、「公園の魅力をさらに引き出す」と掲げられています。つくば市の魅力の一つは、緑豊かな住環境と各地に点在する「公園」であろうと思います。それらの活用に対する市長の見解を伺います。
最後に、「むすびに」について伺います。
「世界のあしたが見えるまち」を実現すべく、4年間尽力されてきたと思います。今後4年間、それらをさらに推し進めていくに当たり、市長の思いをお聞かせください。また、今回は「ともに創る」という言葉も掲げ、現在市政運営に臨んでいると思います。2期目として最初の当初予算編成の所信に当たり、その言葉に込められた思いをお聞かせください。
以上、最初の質問になります。よろしくお願いいたします。
市長:
つくば自民党・新しい風の会派代表質問にお答えをします。
新型コロナウイルス感染症対策の取組としては、医療崩壊を防ぐため、地元住民の協力の下、「豊里ゆかりの森」で軽症患者等の受入れを実施するとともに、医療機関等への物資の提供や感染者受入れに対する助成金の交付、高齢者や障害者、子育て世帯への市独自の生活支援等、様々な支援を行いました。
また、本年2月1日には、新型コロナウイルスワクチン接種対策室を新設し、医療従事者等や市民に対してワクチン接種が安全に実施できるよう、市医師会や医療機関等と調整しています。ワクチン接種は、医療従事者等を対象に今月から開始し、4月以降、65歳以上の高齢者、その後、基礎疾患を有する方、それ以外の方の順に進めていく予定です。
市独自の経済支援としては、県内において新型コロナウイルス感染症発症例が確認されていない昨年3月から、強い危機感を持ち他市に先駆けて支援に着手し、宿泊事業者や飲食事業者に対する緊急給付金を皮切りに、国や県の支援が届きにくい分野への迅速な支援を間断なく実施してきました。
さらに、限られた予算を呼び水として市民が地元事業者を支援する「応援チケット事業」や「キャッシュレス決済利用促進事業」など、これまでに類を見ない事業にも積極的に取り組み、想定以上の成果を上げることができました。
今後も事業者のニーズに即した支援を行うため、窓口に寄せられている声を政策立案につなげ、市内企業に寄り添った事業を継続的に行っていきます。
持続可能なまちづくりに向けた今後の取組としては、社会課題解決型ワークショップ「SDGsTRY」により、市民自らが課題解決のための活動を行い、SDGsパートナーズ交流会などを通じて、会員同士の連携が進み、それが市全域に広がっていくことを目指していきます。
また、つくばSDGsパートナー講座や広報紙などでの周知・PRにより、SDGsの認知度向上を目指していきます。
周辺市街地振興については、地域住民が主体となり取り組む「周辺市街地活性化協議会」を市街地ごとに発足し、活性化の取組が行われています。昨年度からは、「つくばR8地域活性化プランコンペティション」も開催し、2年間で9件の活性化プランが実施されています。
これらの施策により、各市街地に地域づくりのノウハウを蓄積、地域愛の醸成、地域内の交流促進などが図られてきており、今後は地域主体の取組が持続化し、より発展していく支援を展開していきます。また、周辺市街地振興で得られたノウハウを他の周辺地域や団地等に横展開し、周辺地域間の連携を創出していくことで、相乗効果を生み出し、中心部から周辺部への「遠心力」が働くまちづくりを実現していきます。
地域課題を解決する手段の一つとして、最先端技術の活用が期待されていながら、既存の規制やルールがないなどの理由から実現できていないものが数多くありますが、スーパーシティ構想は、規制の特例措置によりこれを可能にする制度です。私は、最先端技術はテクノロジーから遠いと思われがちな高齢者や障害者に対して、大きな恩恵を与えることができると考えています。本当に困っている地域や住民の課題解決を目指してスーパーシティ構想を進めていきます。
令和3年度当初予算(案)は、新型コロナウイルス感染症の影響により市税が大幅な減収見込みとなる厳しい予算編成となりました。このような状況においても、人口増加に伴う子育て関連予算や児童生徒急増に対応した学校建設などのほか、市長公約ロードマップに沿った事業について重点的に予算化し、これまで4年間の取組をさらに本格化させていきます。
今後の財政見通しについては、令和4年度以降も学校建設などの大規模事業が控えており厳しい状況ではありますが、引き続き、市民との丁寧な対話を積み重ね、市民第一の市政を進めていきます。
AI等の最先端技術を用いた業務効率の取組としては、パソコン操作を自動化するRPAと手書きの申請書等を電子化するAI-OCRを引き続き活用をします。
昨年10月時点で年間換算約3,500時間の業務時間を削減していますが、来年度もこれらを組み合わせるなどし、対象業務を拡大して事務の効率化を図ります。これに加えて、全庁的に職員が多くの時間を割いていた議事録作成についても、来年度から音声認識AIを用いた議事録作成システムを用いて、作成に係る業務時間の平均5割程度の削減を見込みます。これらの単純業務の自動化により削減した時間を用いて、より丁寧な市民対応やさらなる業務改善に取り組むなど、行政サービスの充実に努めていきます。
職員に対しては、「自ら考えて職務に取り組む」ことを就任当初から求めてきました。2期目では、これに加え、職員個人の能力を引き出せるようなチームとして、より主体的に業務に取り組んでもらいたいと考えています。そのため、コーチング研修やNPO法人等派遣研修など、新たな人材育成研修を導入していきます。
また、現在、改定を進めている人材育成基本方針においても、これらの考えを包含し、職員により身近で分かりやすく、浸透しやすい方針への見直しを進めています。
保育行政の現状としては、つくば市子ども・子育て支援プランに基づき、民間保育施設の整備を進め保育の受皿を拡充していますが、保育需要の高まりから、令和2年4月時点における待機児童数は42人と、県内最多となっています。課題としては、保育士の確保が挙げられるため、今後も保育士等への処遇改善助成金を継続し、人材の確保を行っていきます。
また、民間保育園等には保育行政の重要な役割を担っていただき感謝しています。市では、市全体の保育の質向上のため、市民や民間保育園の方々とともに「つくば保育の質ガイドライン」を策定しており、今後も民間保育協議会等との定期的な意見交換を行い、保育現場の声を反映し、保育環境を充実させていきます。
高齢者憩いの広場づくりは、2018年に空き店舗を活用して始まり、現在、市内九つの拠点において、社交ダンスや健康体操などが活発に行われています。高齢者が歩いて行ける身近な場所において活動することで、介護予防や孤立化を防止しています。市では経済的な支援として、活動場所の整備や活動費を補助することで団体のニーズに応えており、今後も「高齢者憩いの広場」の整備を市内全域で推進していきます。
児童発達支援センターについては、春日消防本部跡地に、筑波大学がPFI事業で整備する建物の一部を市が賃借し、事業を実施します。現在、筑波大学が事業者の公募を行っているところですが、市では、来年度、児童発達支援センター部分の設計業務を行い、令和5年11月の竣工に向けて準備を進めています。なお、春日消防本部跡地の建物については、今年度に解体の設計を行い、来年度解体工事を予定しています。
公共施設マネジメントにおいては、市民生活や経済活動の基盤となる公共施設等を持続的に管理していくことが大変重要であると認識しています。新たにシステムを導入し、施設の利用・修繕の実績や経費等の整理・分析を行い、施設情報を一元管理することにより、全庁的な情報共有を図っていくとともに、集約された情報を基に、個別施設計画策定の推進や長寿命化等施設のマネジメントを行うことにより、市民サービスを確実に提供していきます。
つくば市内では国道や県道を含め74路線が都市計画決定されています。このうち、つくば市道は45路線あり、32路線が整備済みです。現在、酒丸上沢線と台町萱丸線の2路線が事業中で、一部整備済みが7路線、未着手の路線が4路線あります。来年度には新たに上河原崎東環状線及び上河原崎西環状線2路線の整備に着手する予定であり、今後も都市計画道路整備プログラムに基づき、早期整備を目指して事業を推進していきます。
入札改革の具体的な取組としては、特別簡易型総合評価方式による入札の拡充や、今後予定されている学校建設などの大規模事業において、市内企業も参加できるよう、市内企業を含めた共同企業体(JV)への発注を積極的に行っていきます。
また、昨年8月から入札制度検証チームを庁内で組織し、入札制度運用方針やランダム係数等の運用状況を検証してきました。今後は、この検証結果を踏まえ、議会とも対話を重ねながら、品質の確保や経済性、市内企業の育成などに資するより良い入札制度となるよう改善していきます。
スタートアップの取組については、2018年に策定したつくば市スタートアップ戦略に基づき、つくばスタートアップパークのオープン、ベンチャーキャピタルや海外スタートアップ拠点との連携協定締結、起業家育成プログラムの実施など、順調に進められていると考えています。経営人材の確保や投資家の呼び込みが課題であると認識していますので、東京圏を中心に、他の都市のスタートアップ拠点と連携した取組を行っているところです。今後、スタートアップのビジネスが発展することで雇用や地元企業との取引を生み出し、まちの持続的な成長につなげていきます。また、スタートアップの製品・サービスにより市民生活が便利になることにも期待しています。
2018年に公表した「つくば中心市街地まちづくりヴィジョン」では、未来志向のイメージを共有するため、「リラックスと遊び心」「科学技術の恩恵と新たな価値の創発」「ローカルと持続可能性」という三つのコンセプトを示しました。また、昨年には「つくば中心市街地まちづくり戦略」を公表し、つくばセンタービルのリニューアルや官民連携によるエリアマネジメントの推進など八つのリーディングプロジェクトを位置づけました。
特に本年4月1日には中心市街地のまちづくりを担うエリアマネジメント団体を設立することから、今後は地域の事業者やエリアマネジメント団体と密に連携し、さらなる取組を行うことで、魅力あるつくば中心市街地のまちづくりを実現していきます。
公園の活用については、公園の魅力を引き出すため、ハード面及びソフト面を織り交ぜて、中央公園の噴水の再整備やじゃぶじゃぶ池、にぎわいを創出するプレイスメイキング等の様々な取組を行ってきました。今後は、今までの常識にとらわれない公園の活用や情報発信にも力を入れていきます。
今後4年間の市政運営においては、「つながりを力に未来をつくる」という、つくば市未来構想に掲げる理念に基づき、周辺市街地での取組など、これまで実現してきた変化をさらに本格化させ、つくば市を前へ進めていきます。
「ともに創る」という言葉には、誰もが幸せを感じながら、よろこびと誇りを持って暮らし続けられる「世界のあしたが見えるまち」を市民や議会、事業者など様々な関係者と一緒に考え実現させていくことこそが、持続可能なまちづくりの鍵になるとの思いを込めています。
新型コロナウイルス感染症への対応という前例のない状況下においては、何よりもまず市民生活と地域経済を守ることに全力を挙げるとともに、今こそ「世界のあしたが見えるまち」としてのつくば市の役割を世界に示していく使命があると考えています。1期目同様「誰一人取り残さない」という思いを胸に、さらに市民第一の市政を推進し、丁寧な対話を重ねながら全力で取り組んでいきます。
教育長:
新型コロナウイルス感染症への対応については、国が示す「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」や、市の「つくば市学校再開ガイドライン」に基づき、教職員が細心の注意を払い、授業や学校生活における感染防止対策に取り組んでいます。
具体的には、手洗いの徹底や医療相談アプリ「リーバー」を使った児童生徒の体温管理、また、学校消毒についても、教職員のみならず、学校サポーター、保護者・地域ボランティアの協力を得るとともに、民間委託など外部の力もお借りしながら、子供たちが安全安心に学校生活を送れる環境を整えています。
1人1台の学習者用端末の整備状況と活用については、学習者用端末をはじめ、校内高速ネットワーク、充電保管庫の整備が順調に進んでおり、3月末までに全て完了する予定です。
活用については、子供一人一人が自分の疑問や学びたいこと、さらには、これまでの学習を振り返って学ぶことが必要だと考えた内容について、学習者用端末をいつでも使って学べるようにし、主体的な学び、個別最適な学びを実現します。あわせて、端末を使って調べたことや自分の考えを表現し、それらを共有したり交換したりする道具としても活用することで、協働的な学びも実現します。
このように、学習者用端末を効果的に活用することで、個別最適な学びと協働的な学びを実現し、子供たちに未来をよりよく生きる力を身につけてほしいと考えています。
教育大綱の理念を学校現場で体現していくことに当たっての現状の課題と今後の展望については、教育大綱の理念が先生方の授業や学級経営の実践に結びつき、子供たちが主体的に学ぶことができるようにすることが大切であると考えます。現在、この理念を体現するため、校長会での研修会の中で議論をしたり、市の指導主事による学校訪問時にその理念を授業にどのように反映させるかを示したりしながら、教育大綱の理解を促しています。私自身も、全教員に向けてメッセージを発信し、「教えから学びへ」の考え方を学校現場へ浸透させるよう努力しています。
また、3月には教育大綱の具現化を目指した「第3期つくば市教育振興基本計画」を策定します。さらには、「令和3年度学校教育指導方針」についても、教育振興基本計画の目標を反映させた授業並びに学級経営の具体的な考え方や方法を示すなど、大幅な改定を予定しています。今後は、これらの取組を通して、子供たちが「夢に向かってよりよい未来をひらく学び」を実現していきます。
黒田健祐:
1点、さらなる入札制度の件で再質問をさせていただき、そのほかは意見、要望を申し上げさせていただいて、質問を閉じようと思います。
新型コロナウイルスに関してであります。
この1年、新型コロナウイルスによって、今まで経験したことのない状況に我々は置かれました。その中で、市当局におかれましては、担当部署ごとに御尽力をいただいてきたことに、改めて感謝を申し上げます。現在、感染の広がりのスピードが鈍化をしておりますが、まだ予断を許さない状況が続くものと思われます。また、国民一人一人の努力や我慢、行動変容によって、あと一歩というところまで来ているのかなとも感じられます。
ワクチン接種に関して、今現在、準備が進められているところであろうと思います。初めての経験ということもあり、様々、段取り面大変なところもあろうかと思いますが、御対応のほどよろしくお願いいたします。
この新型コロナ感染症でありますが、コロナの致死率、大体1.5%前後だと思います。これを約1とした場合、SARSが約10倍、インフルエンザが大体10分の1ぐらいだろうと言われております。その中で、高齢者と基礎疾患を持つ方々が重篤化しやすく、致死率も高くなるわけであります。ワクチン接種に対する心配の声なども一部あろうかと思いますが、ワクチンに対するリスクとベネフィットをしっかり伝え、リスクコミュニケーションを取りながら進めていっていただければと思います。
また、経済に関しましても、2020年期では経済成長率がマイナス4.8%と、リーマンショック後11年ぶりとなるマイナス成長でありました。本年1月には緊急事態宣言が再び出され、2021年1月から3月期は大幅なマイナス成長が見込まれているところであります。市独自の経済対策に関しても、この間、よくやってくれていると評価をしているところであります。経済対策は、国によるところが大きいとは思いますが、経済が悪化しますと失業率が高くなり、それに伴い自殺者数も増える傾向がありますので、つくば市においても、自殺対策、鬱対策等を引き続き対応をお願いしたいところでございます。
SDGsに関してでありますが、令和元年8月から9月に行われました市民意識調査をもとに、市民の認知度に関して御質問させていただいたわけでありますが、この間、1年半ぐらいたって、主要メディア等でもSDGsに関して全国的なPR等進んできたと思いますが、市においても、認知度向上に取り組んでいく旨確認できました。また、SDGs未来都市計画の進捗評価においても、2018年と2019年を比較しますと、前年よりも大きく各項目のKPIに前進が見られ、しっかりと取り組まれているなという感想でございます。
周辺市街地活性化に関しましても、4年前の五十嵐市長の思いが形になりつつあると感じております。まだまだ課題は多いでしょうが、地域を盛り上げていこうという機運の醸成をしっかりと感じられる分野であります。様々なチャレンジを今後とも期待するところでございます。
スーパーシティ構想についてでありますが、市長が答弁の中で言及されました、最先端技術こそ、テクノロジーから遠いと思われがちな高齢者や障害者の方々に対して、大きな恩恵を与えることができるということに対して同意をするものであります。つくば市も採択に向け準備を進めているところだと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
PC1人1台についてであります。
GIGAスクール構想によって、ようやく教育環境の整備が追いついたところであろうと思います。私も折々、質問等でこの件は触れさせていただいておりましたので、うれしく思っております。以前も言及させていただきましたが、もう五、六年前になるかもしれませんが、荒川区にこの件で視察に行ったとき、全ての小中学生に対し配付をしているということに驚いた記憶があります。また、当時、つくば市ではICT教育を前面にうたっておりましたが、端末の配付状況が国の平均よりも遅れているという事実にも驚いたのを記憶しております。やっと教育環境の整備が整い、今まで蓄積されたノウハウ等あると思いますので、活用に関して、しっかりと行っていっていただききたいと思います。よろしくお願いいたします。
財政についてであります。
新型コロナウイルスの流行により、社会全体が大きなダメージを受ける、予期せぬ状況に見舞われました。それらに対する対応、また、高エネ研南側未利用地の購入費用、人口増に対応するための学校建設等、このような状況を鑑みると、現状、財政調整基金が20億円というのは致し方がないのかなとも思われます。しかしながら、財政調整基金に関しては、標準財政規模の1割程度がセオリーであることを考えますと、50億円程度は必要であろうと思います。
一方、つくば市の財政でありますが、経過年度の各指標を見ますと、特に問題となる指標はなく、おおむね健全なものと思われます。しかしながら、経常収支比率など高くなりつつあり、また、今後の歳入の落ち込みがいつ戻るかということもあります。財政運営に関しては、しっかりと注視をしていくところであります。
しばらくはコロナ禍の影響が残るかと思いますが、住民ニーズを的確に捉え、必要なものにはしっかり投資をする。また、社会情勢にそぐわないような事業や制度等にはしっかりと対応する。めり張りをつけた財政運営を望むものであります。
徹底した行政改革についてであります。
業務効率化の分野に関しては、引き続き推し進めていっていただきたいと思います。そして、その単純労務から開放された時間を、答弁でも言及されていましたが、市民に向き合う時間に使うということでありますので、よろしくお願いいたします。
行政というのは、人が大きな資源であり、財産であると思っております。私たちは物を作っているわけではありませんし、税金を原資に市民サービスの向上とまちの発展を、不断の努力によって続けていかなければならない存在であるわけであります。職員の育成という点も、市長は力点を置いておられます。職員の育成こそが、現在の山積する課題への対応も大変重要ですが、将来このまちの未来の大きな力になることを確信しております。
安心の子育てであります。
現在、これだけ子育て世代が増えている自治体というのは、大変珍しいと思います。TX効果の影響力をまざまざと、議員になって8年間、感じているところでございます。待機児童の数に言及されておりました。もちろんゼロを目指して、住民ニーズに応えていかなければなりませんが、この数字の現れは、子育て世代に選ばれているという事実もあろうかと思います。今回、民間保育に関して、所信では言及がなされておりませんでしたので、保育行政の一翼を担う民間保育について御質問をさせていただいたわけですが、市長よりしっかりとした答弁をいただけましたので安心をしたところでございます。この分野に関しましては、引き続き子育て世代のニーズを満たせるようしっかりと政策展開をお願いいたします。
教育の面です。
第3期教育振興基本計画策定中であります。大綱ができて、現在、計画に落とし込んでいる最中かと思います。そして、計画ができたら、それを現場でどのように実践し、運用していくかということが大変重要であろうかと思います。この4年間の市長の教育行政に対する取組を見ておりますと、強い情熱を持って取り組んでいる分野でもあろうと感じております。新しい学校の建設、学区の件、通学路の安全など、多くのニーズが集まる分野であり、担当部署の御苦労も多いかと思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。
頼れる福祉であります。
高齢者の居場所づくりについてでありますが、答弁内容は理解できました。その中で、要望でありますが、居場所といっても、空き家でなく、空きテナントの場合であったり、高齢者だけでなく、高齢者が主体となりながら、子供や親子が立ち寄れる地域の居場所づくりを行いたい、気軽に行きたいときに行けるような場所をつくりたいと要望の形は様々であり、現行の制度にフィットしないケースもあろうかと思います。弾力的にそれらの要望をかなえられる仕組み、支援できる体制を望むものであります。
便利なインフラについてであります。
今回の公共施設マネジメントに関しては、システム導入がなされ、より効率的かつ詳細にその管理が行われるようになるとのことで期待をするところであります。この公共施設マネジメントですが、全国的に人口減少社会の中、既存の箱物等をどのように優先順位をつけて維持管理をしていくかというものであります。つくば市は当面、人口増が続いてまいりますので、他自治体と直面する課題は若干違うかとは思いますが、つくば市は公共施設が多いこと、また、いずれはつくば市も人口減少局面を迎えるということを考えれば、今からこの考え方をしっかりと全庁的に意識して運用していくことこそが、未来に対する大きな備えになろうかと思っております。
都市計画道路についてでありますが、まちづくりを行う上で、道路整備というのは大変重要であります。答弁の中で言及されていました道路に関しては、しっかりと整備を進めていってください。
また、答弁の中で言及されておりませんでした妻木金田線であります。令和2年3月に出された都市計画道路整備プログラムの報告書の概要版を見ますと、事業性評価マイナス4であるものの、重要性評価は10と極めて高く、まちづくりにおける都市計画道路としての重要度が高いと認識をしております。
中根・金田台地区は現在、大規模物流倉庫の稼働による人の流れの増加、また大型ショッピングセンターの営業も始まり、今後ますます居住人口の増加が見込まれます。幹線道路整備は急務であろうと思いますが、なかなか進まない現状があるわけでありますが、市当局といたしましても、関係者に対し整備のメリット等を示すなど、機運の醸成に努めていただければと思います。
また、同報告書においては、東西方向を結ぶ構想道路が何か所か検討されていると存じます。市域全体発展のために、ぜひ前向きに進めていっていただきますようよろしくお願いいたします。
活気ある地域であります。
今後、るる積極的に行っていくということでありますので、その言葉を信じ期待をするところであります。この分野に関しては、市長も感じていると思いますが、まだまだ課題が多い分野かとも思います。より一層、地元産業の支援につながる制度設計を望むものであります。
また、議会でランダム係数の導入が決議されたとはいえ、デメリットのほうが大きいのではないかと我々は感じております。
一つ質問いたします。ランダム係数導入による現状と課題についてお聞かせください。
誇れるまちであります。
公園の活用ですが、公園は、つくば市の一つの強みであろうと思います。市民意識調査からも、つくば市の景観として、「優れている」「どちらかといえば優れている」と評価されている割合は高く、また、ふだんの生活の中での満足度も高いです。市長からも、積極的な活用をしていくとの姿勢ですので、よろしくお願いいたします。この分野は不満足度も一定数あり、課題解決をすべき点もあろうかとは思いますが、つくばの価値創出という視点を持って、より魅力あるまちづくりを取り組んでいっていただければと思います。
また、所信の中で触れられております高エネ研南側未利用地に関しまして、改選後改めて特別委員会が動き出しましたので、その中で我々としても最終解決に向けた方向性を決めていきたいと思っております。
最後に、るる述べてまいりましたが、我々もしっかりとつくば市発展と市民の皆様の要望に応えられるよう、つくば市のまちづくりを「ともに創って」いくことを申し上げさせていただいて、私の会派代表質問を終わりにいたします。1点だけ質問がございますので、よろしくお願いいたします。
市長:
ランダム係数については、同一価格入札者のくじ引きによる落札候補者決定の減少を目的として、議会の決議により導入が求められ、平成30年11月の開札から導入し運用しています。この導入により、くじ引きにより落札候補者を決定した件数は大きく減少しています。
一方で、初回入札不調の増加、失格者率の上昇、落札率の上昇に伴う財政負担増などの課題が生じています。