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令和6年6月定例会一般質問(今後の保育需要について/つくば市産業戦略について/ICTを活用した教育について)

【要旨】

1 今後の保育需要について
 2024年5月15日発行のつくば市かわら版(第33号)を見ると保育施設定員数と待機児童数の変化が見て取れます。グラフからは、2021年から待機児童数も一桁と、この間待機児童対策に一定の成果を出してきたのが伺えます。一方民間保育所事業者関係者からは、保育施設が増えたことにより将来子供の数が減ったときに供給過多となり、運営に支障が出るのではないかとの心配の声も聞こえてきます。この点に関して、行政としてどのように考えているか伺います。
2 つくば市産業戦略について
 つくば市産業戦略の対象期間が令和6年度までとなっており、現在第2次産業戦略策定に向け懇話会が開かれていると思います。つくば市産業戦略の現時点での進捗と終了時までの見通し、またこの計画期間内における課題について伺います。
3 ICTを活用した教育について
 2020年、GIGAスクール構想により一人一台のパソコン環境整備が進みました。第3期つくば市教育振興基本計画の基本方針6「ICTを活用した教育を推進する」に関し、現在の取組状況と課題について伺います。


【会議録】

黒田健祐:
 11番議員、つくば自民党創生クラブの黒田健祐です。通告に従いまして一般質問を行います。
 まず1点目であります。今後の保育需要について、お伺いをいたします。
 2024年5月15日発行のつくば市かわら版を見ますと、保育施設定員数と待機児童数の変化が見て取れます。グラフからは、2021年から待機児童数も1桁と、この間待機児童対策に一定の成果を出してきたのがうかがえます。一方、民間保育所事業者関係者からは、保育施設が増えたことにより、将来、子供の数が減ったとき供給過多となり、運営に支障が出るのではないかとの心配の声も聞こえてきます。この点に関して、行政としてどのように考えているのか、お伺いをさせていただきます。
 2点目であります。つくば市産業戦略について、お伺いをいたします。
 つくば市産業戦略の対象期間が令和6年までとなっており、現在、第2次産業戦略策定に向け懇話会が開かれていると思います。つくば市産業戦略の現時点での進捗の報告と終了までの見通し、またこの計画期間内における課題についてお知らせください。
 3点目であります。ICTを活用した教育について、お伺いをさせていただきます。
 2020年、GIGAスクール構想により1人1台のパソコン整備が進みました。第3期つくば市教育振興基本計画の基本方針6で掲げております「ICTを活用した教育を推進する」に関し、現在の取組状況と課題についてお聞かせをください。
 以上、壇上からの質問になります。御答弁よろしくお願いいたします。

こども部長:
 今後の保育需要については、令和6年4月の待機児童数が速報値で0人となりましたが、保育施設への申込み者数が増加していること、国の待機児童の定義に当てはまらない潜在的待機児童が存在していることなどから、引き続き保育需要の増加を見込んでいます。
 一方、将来的な保育需要の減少はいずれ直面する課題であると認識しており、既に課題に直面している他自治体の調査研究を行っていきます。

経済部長:
 つくば市産業戦略の進捗については、産業戦略会議を毎年定期的に開催し、進行状況の点検評価を行い、事業の優先度を見直しながら各事業に取り組んでいます。
 現在、計画期間5年のうち、4年が経過していますが、計画事業の実施率は約91%となっているほか、4つの成果指標についてもおおむね達成しています。また、重点プロジェクトとして設定した5つのプロジェクトについても、おおむね計画どおりに進捗をしております。
 一方、計画事業のうち、人材育成や若者の定着化につながる取組などはいまだ検討段階であるため、引き続き実施に向けて取り組んでいきます。また、産業用地の確保など、さらなる企業誘致につながる取組についても継続して実施していきます。

教育局長:
 ICTを活用した教育については、GIGAスクール構想により令和3年3月末までに1人1台の学習者用端末及び高速ネットワークの環境を整備し、各学校では学習者用端末を活用し、教育活動を進めています。活用することによって現れてきた課題もありましたが、市議会の支援をいただき、迅速に対応することができ、よい学習環境が整えられています。学校では、児童生徒が協同学習ソフトウエア「スタディノート」等を活用し、互いの気づきを共有したり、自分の考えを表現・発信するプレゼンテーションをしたりして、学びを深めています。
 昨年度開催された県主催のプレゼンテーションフォーラムやプログラミング大会では、市内の多くの児童生徒が入賞しています。また、つくばの児童生徒の学びが好事例として全国にも多数紹介されています。これらは、学習者用端末を効果的に活用し、学びを深めた成果だと捉えています。
 今後も、児童生徒が必要に応じて学びの1つの道具として学習者用端末を活用する力をさらに身につけられるよう進めていきます。

黒田健祐:
 それでは順次、2次質問を行ってまいります。
 保育需要に関してでありますが、冒頭でも申し上げましたが、民間保育事業者から保育園が増えて、今後、将来的に供給過多になったときにやっていけるのだろうかという趣旨の心配の声をいただいたので、今回御質問させていただきました。
 つくば市としては、第2期つくば市子ども・子育て支援プランと新子育て安心プランに基づいて施設の整備を進めていることと思いますし、答弁でも言及されていましたが、令和6年4月の速報値でゼロになったことは、率直に評価をすべきものだと思っております。
 子育て世代が流入するつくば市においては、第2期つくば市子ども・子育て支援プランの中間年度見直し版の見込み量を見ましても、今後の保育需要は増加をしていきますので、その需要に対応していかなければならない状況が続くと思います。この間、子育て世代の流入、共働き世帯の増加等で、保育の利用希望者が多くなっており、その需要に応じるために定員を増やしてきたと思います。かわら版ですが、シンプルにまとめられていて非常に分かりやすいので、質問に際し参考にさせていただいていますが、2017年から2024年、この間に定員の経年変化を見ると約3,000人の増、約1.5倍になっておりますので、確かに保育園増え過ぎて大丈夫だろうかという懸念、そういった印象を持たれるのも理解ができるところでもございます。
 そこでお伺いしたいのが、今後、今は需要が増えていく予測がなされているので、その対応のために供給量、定員を増やしていくしかないと思いますが、減少トレンドに入ったとき、しっかりと市の裁量で供給面の調整は行えるのか、マネジメントできるのかという点について、お聞かせください。

こども部長:
 保育施設の供給量については、5か年計画であるつくば市子ども・子育て支援プランに基づき計画を行い、中間年度に計画の見直しを行っています。さらに、国の待機児童対策に特化した新子育て安心プランに基づき、毎年、保育ニーズ、供給量の点検を行っています。
 今後も、引き続き実態に即した供給面の調整を行っていきます。

黒田健祐:
 市の裁量で対応できることだろうと思います。
 他市で民間保育所を経営している知り合いがおりますので、少しこの点について伺ったところ、保育需要がなくなった場合のことは、当然、経営者としてアンテナを張って考えていますし、別の事業に転換させるとか、そういったことは考えているということでした。その市は人口減少フェーズに入っていまして、つくば市よりも早くその課題に直面している状況だからだと思います。
 需給バランスをどう調整していくかという大変難しい問題であろうと思いますが、つくば市の保育行政は、公立と民間比較いたしますと、民間事業者の皆様に多くの割合を受け持ってもらっておりますので、ぜひとも引き続きコミュニケーションを取りながら、よりよい子育て環境の構築に努めていってもらいたいと申し上げさせていただいて、この質問は終わりにいたします。
 次に、2点目のつくば市産業戦略について、お伺いをいたします。
 つくば市産業戦略の策定に当時、市民経済委員長として携わらせていただきましたので、その意味でも、今回4年が経過しましたので、通告をさせていただいたところでございます。
 御答弁にもありましたように、つくば市産業戦略会議でも都度、進捗のチェックは行っているとは思いますが、改めて議会でも質問をさせていただいているところです。雇用を創出する、産業をつくるというのは、長期的なスパンで見なければならないテーマでもあろうかと思います。
 議員なりたての1期目だったと思います。当時、桜交流センターで行われました総合計画作成に関する市民ワーキンググループだったと記憶をしておりますが、そこに参加したときに、つくばは教育のまちとは言われるけれども、ここで育った子供たちはみんなまちを出ていってしまうと、こういう参加者の言葉が今でも印象的に残っております。ですので、一般質問でも、この産業に関する質問はまちづくりにおいて重要であると考えて、定期的に行わさせていただいている次第でございます。
 2次質問ですが、つくば市産業戦略において、具体的に目標値が設定されているかと思います。私から確認の意味を込めて読み上げさせていただければと思いますが、4つの成果指標の目標値、計画内の数字を申し上げますが、1つ目は市内総生産、2024年度で1兆4,383億円、2つ目がつくば市認定制度への申請件数、計画期間内で累計100件、3つ目が市内における新規創業者数、計画期間内395人、4点目が市内における就業者数、2024年度末14万3,006人と設定されております。
 さらに、5つの重点プロジェクトがございまして、この重点プロジェクトには11のKPIが設定されているかと思います。全て2024年度の目標値でございますが、1つ目が事業承継から創業へつなぐ経営資源承継プロジェクト、KPI指標は事業承継に係る相談件数(累計)30件、事業承継のマッチング件数(累計)9件、2つ目が市内事業者をつなぐつくば市認定プロジェクト、KPI指標、つくば市認定制度の認定件数(累計)80件、販売促進活動の支援件数(累計)50件、つくば市認定制度へのチャレンジ支援件数(累計)30件、3つ目が科学×技術×人材の交流が世界の未来へつなぐプロジェクト、KPI指標、異業種交流会参加事業者数50社、提携連結・協業成果情報発信支援件数3件、4つ目が多様な人材と地元事業者をつなぐネットワークプロジェクト、KPI指標、市内企業と就職希望者の交流会参加者数(累計)130名、就職面接会におけるマッチング実績数(累計)945件、5つ目が事業者の成長段階にあわせた受入環境確保プロジェクト、KPI指標、新規立地希望者及び市内移転希望事業者へのフォローアップ支援件数が15件、新規及び拡充立地企業数(累計)50件と設定されております。
 これらの進捗状況と達成の見通し等をお示しいただければと思います。答弁を求めます。

経済部長:
 ただいまの4つの成果指標のうち、つくば市認定制度への申請件数、新規創業者数、就業者数の指標につきましては、令和5年度末で既に目標に達しておりまして、もう1つの指標である市内総生産につきましては、最終年度である令和6年度には達成する見込みでおります。
 また、重点プロジェクトにつきましては、5つのプロジェクトで合計11の指標、先ほど御案内のとおりありますが、こちらにつきましては令和5年度末までに8つの指標が目標を達成しております。

黒田健祐:
 おおむね順調に推移しているのかなと思います。
 最後に、3月に行いました会派代表質問においても類似の質問をさせていただいておりますが、改めてこのつくば市産業戦略に関する思いであったり考え方を、市長のお考え等お聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

市長:
 つくば市の産業戦略は、やはり筑波研究学園都市の特徴を踏まえたものである必要があるわけですし、今の計画も、つくばの科学と技術とそして人材を今まで以上に有機的につなげていくことで競争力を高めようと、つくばの強みを生かして取り組んでいこうということを目的にしています。
 そういう中で、この期間中においても、これも今議会でも答弁しておりますが、やはり感染症の期間は本当に厳しい状況が各事業者ありましたので、その継続支援や市内経済の活性化のための様々な方策を展開してきましたが、ただ対応するだけではなくて、そこで前向きな新しい事業を生み出すというような取組も着実に実施をしてきたと思っております。
 1つの私が冒頭に申し上げた大きな事例としては、今スタートアップ企業で非常に注目を世界的にされているThermalytica(サーマリティカ)という物質・材料研究機構初の断熱材をつくっているスタートアップ企業がありまして、この企業は先日もワールドビジネスサテライトで大きく取り上げたり、ヨーロッパのアワードも様々受賞したりしていますけれども、今般その測定器やその実験をするプロセスにおいて、従来から市内にある企業と組んで改良を進めていったという事例があります。これは、まさにつくばが目指すつながりの形を象徴しているものだと思っておりまして、新しい科学技術と既存の産業、市内の既存の事業者が有機的につながることによって、まだまだ発展の余地はあるだろうということを改めて実感する機会でもありましたし、今後このThermalyticaが世界的に飛躍をしていけば、それがまた地域にとってもプラスをもたらすだろうと思っています。
 そのためにも、新たな産業用地の確保をすることであるとか、どうやって人材を確保していくかがやはり産業戦略における大きなテーマだと思っています。とりわけ今、人材については、どの事業者に聞いても人手が足りないと、人が欲しいとお話をされます。やはり、単に給与面だけでは若い世代はもう来てくれなくなっているというのは申し上げているとおりでありますけれども、そのためにも福利厚生をどう充実させるか、とりわけ男性が育児休業を取得できる会社が1つの働きやすい会社の大きな指標に今なってきておりますので、全国的にもかなり高い金額、恐らくトップではないかと思っていますけれども、男性育休の奨励金を交付するとか、あるいはワーク・ライフ・バランスのセミナー開催など、そういったものを今進めているところです。
 何か1つだけやって産業戦略というのはうまくいくものではなくて、総合的にいろいろなサービスであったり、可能性をつなぎ合わせることによって、人も企業も呼び込むことができると、そしてそれがつくば全体の発展に資するという思いで、確実に力強く進めていきたいと考えております。

黒田健祐:
 引き続き、環境整備等含め、よろしくお願いできればと思います。
 それでは最後、ICTを活用した教育の推進について、2次質問を進めさせていただければと思います。
 ICTを活用した教育の推進についてでありますが、活用状況等を把握するための調査とかは何か行われているかをお聞かせいただければと思います。

教育部長:
 活用状況を把握するための調査については、ICTの活用状況を毎年6月と10月の2回、全教職員を対象に校務や授業においてICTの活用状況を調査しています。
 つくば市の活用率は県の平均を上回っており、令和3年から令和5年にかけて年々向上しています。この結果は、教職員が児童生徒の学びを充実させるためにICTを活用した授業改善の努力の成果であり、市の総合教育研究所を中心とした研修や支援の成果であると考えています。
 今後もICT実技研修や支援員の巡回サポート、実践事例の共有等を進め、さらなるICT活用を推進していきます。

黒田健祐:
 ぜひよろしくお願いいたします。
 最後に、教育長に総括的な答弁を求めたいんですが、その前に、10年ぐらい前、私が議員になりたての頃、当時荒川区にICTの視察に伺わせていただいたときに、当時は1人1台もうその時点で配られていまして、大変衝撃を受けたのを記憶しています。それを基に質問をさせていただいたこともありまして、当時はGIGAスクール構想前でございますから、国の平均が、たしか7人に1人配ってくださいみたいな、多分指標があって、それよりもつくば市は少なかったんですよね。今思えば、東京23区はお金ございますし、またつくばは何だかんだ児童生徒が2万人ぐらいいますから、予算がかかりますから、なかなかそのハード面では追いついてないというのも今思うと理解できるところでもあるのかなと思います。
 その後、GIGAスクール構想ということで、国で1人1台配布がされまして、大体4年ぐらいですか、経過したと思っております。
 ハード面においては、それによって一斉に環境整備がなされたと。ただ、つくば市の場合は、今年で47年目ぐらいになりますか、その歩みというものもございますし、ノウハウの蓄積というのもございまして、ちょうどハード面が整備されたからこそ、今この間に花開いてきた部分もあるでしょうし、今後の展望というところも大変期待感が持てるところなのかなとも個人的に思っております。ICT教育、つくば市でグーグル検索いたしますと、つくば市の取組状況を、文部科学省ですとか総務省の資料としても拝見できますし、様々ニュースの記事ですとか、教育長のシンポジウムでのレポート等も結構早い段階で、ページの上に上がってくると結構注目されて、かつ様々取組がなされているのかなということも確認ができるところでございます。
 そこで最後に、ICT教育、これは手段であって、もちろん教育大綱の理念を実現するためにどう活用していくかというのが、教育の本旨であろうかと思います。それと、教育振興計画の中にはその部分も項目として上がっておりますので、今現在の取組ですとか、今後の展望、教育長のお考え等を最後にお聞かせいただいて、この質問終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。

教育長:
 議員からは、つくば市のICTの歴史から、そして今応援のメッセージのようなものもいただいたと思っております。これまでも本当にいろいろな御理解、御支援をいただいていることがあったなと思っています。
 先ほど言っていただきました、GIGAスクール構想の1人1台、そして高速ネットワークの整備も非常に急な展開だったわけですけれども、これについて対応してきた、遅れずに対応できたと、そしてその後もいろいろな課題が起こったときにもすぐに対応ができた、そして望ましい環境整備が順調にできたと思っています。これについては、議会の御理解、御支援に感謝申し上げたいと思っております。
 今、各学校、教師、これはGIGAスクール構想があってから、この環境を生かして、先生方みんなで授業の改善、向上に努めてくれたなと思っています。結果、先ほど局長も述べましたけれども、教師の指導力が向上してきて、つくば市が40年も前から目指してきた個別最適な学び、協働的な学びが実現されて、子供たちの学びが一層深まってきたと感じています。
 今後は、この進化をさらに加速させていかなければならないと使命を感じています。そのためには、教員が自信を持ってよりよい授業ができるように、現状に満足することなく常にレベルアップ、これが前向きにできるようにしていく必要があると考えています。このために現在、教員の個々の要望に応じた研修、それから計画的な実践事例作成、クラウド共有による情報共有や実践の横展開、外部の研究会やセミナーへの参加、授業デザイン考案時の授業の指導主事による伴走支援などの体制を整えられるように努力しているところです。
 こうした教師に支えられ、子供たちは必要に応じて、いつでもどこでも誰とでもを合い言葉にICT機器を活用し、児童生徒が自らの問いを解決し、より有効なICT機器の活用を自ら見いだしながら探求し、学びを一層深めていく、そのようなつくば市の教育をつくっていきたいと。こうして、つくば市教育大綱の目標である「一人ひとりが幸せな人生を送ること」を実現したいと考えています。

黒田健祐:
 引き続きどうぞよろしくお願いいたします。以上で私の質問を終わります。

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