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住民投票運動記録集への寄稿文

2015年8月に行われました住民投票で総合運動公園基本計画に賛否を示して頂いた皆様、またこの事業に関し真剣に考えた末に投票を棄権された方も、そして何より住民投票運動を展開された皆様の行動に対して敬意を表します。

市政を与る行政と議会は、「民意」に沿わない判断をしてまいりました。この事実は真摯に受け止めなければなりません。そして何故大多数の住民に受け入れられない政策を進めようとしてきたか、その理由を検証することは、未来のつくば市にとって必要であります。

筑波研究学園都市として閣議決定され50年が過ぎ、TXが開通して10年が経ちました。多くの自治体が人口減少に伴い街の活力が失われ続ける事態に直面するなか、つくば市は人口が増え続け、教育日本一のまちを目指せる環境があり、都会と田園が調和した生活スタイルを構築できる、極めて恵まれた地方公共団体であります。

その一方でつくば市は、研究学園都市として成熟期を迎え、TX沿線開発は、国全体が人口減に転じかつ低成長という逆風のなかで行っていかなければならない等の課題、多様な住民の価値観を内包する繊細さなど自治体運営の舵取りの難しさも秘めております。

そのようななかで、まちづくりという大きな視点で市長を筆頭とする賛成派が、つくば市の過去と未来を紡ぐ為に「公益」を想い、本当に総合運動公園基本計画の必要性を信じた上での政治判断であったのであれば、不合理な説明の裏側にも、人々の心を動かす力は秘めていたはずであります。

何故こういう結果になったか、そしてこれからどうするか。今後この事案と真摯に向き合い、各議員が見識と謙虚さと矜持をもち議論を尽くして行くことが、皆様に対しての責務であろうと考えております。

寄稿文より 2016年7月15日発行
つくば市総合運動公園に関する住民投票運動記録集

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