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令和5年6月定例会一般質問(ふるさと納税について/学校内への不審者侵入対応について/物価高騰への対応について)

【要旨】

1 ふるさと納税について
 ふるさと納税の仕組みを活用し、教育活動の充実を図るような仕組みを検討してはどうか。市の見解を伺います。
2 学校内への不審者侵入対応について
 学校内に不審者が侵入した場合の訓練の実施状況及びどのような訓練を行っているかについて伺います。
3 物価高騰への対応について
 ここ近年の物価スライドによる変更契約の実績について伺います。


【会議録】

黒田健祐:
 おはようございます。つくば自民党の黒田です。通告に従いまして一般質問を行います。
 1点目であります。ふるさと納税について伺います。
 前回の3月議会においても、ふるさと納税の質問をさせていただきました。前回の答弁を確認いたしますと、令和3年度分の市税の減収額は約10億6,000万円であり、受入額を大きく上回っていること、それに対して、市内のお店で利用できる電子商品券や宿泊施設の利用を促すクーポンなど、市外からの誘客につながる返礼品の導入を検討していきます。また、新たな資金調達の取組として企業版ふるさと納税の受入額増加に向けて、企業の営業活動を続けていくとともに、売上げの一部を寄附していただく仕組みである寄附つき商品の開発も進めていきますという答弁でありました。鋭意、それらに対しては取組が進められていると思います。流出額の拡大に伴い、同僚議員においても、この間、金子議員、塩田議員もこのふるさと納税制度に対して質問を行っており、議会においても、その運用状況に大変注視されている案件であるとも思います。
 前回の質問の最後に、日用品などの返礼品を増やす努力をし、返礼品の裾野を広げ、つくば市が取り組んでいるふるさと納税の戦略の軸の追加に関しても可能性を追求していってはどうかという意見を申し上げました。今回はまだ時間がたっておりませんのでその件については今回は触れませんが、もう1つの可能性について御質問させていただきたいと思います。
 ふるさと納税の仕組みを活用し、教育活動への充実を図るような仕組みを検討してみてはどうか、見解を伺います。
 2点目であります。学校内への不審者侵入対応について伺います。
 今年3月に埼玉県戸田市において17歳の少年が中学校の教室に侵入し、制止をした60代の男性教諭をナイフで切りつけ、殺人未遂で逮捕された事件が発生いたしました。私は統一地方選挙の関係で、戸田市ではないのですが、さいたま市に出向くことがあり、関係者からこの事件を知りました。20年以上前に起こった池田小事件を彷彿とさせる事件であります。そのようなこともあり、今回一般質問で取り上げさせていただきました。
 学校内に不審者が侵入した場合の訓練の実施状況や、どのような訓練を行っているか、お知らせください。
 3点目であります。物価高騰への対応について伺います。
 ここ近年の物価スライド、スライド条項適用による契約変更の実績を伺います。
 以上、壇上からの質問であります。御答弁よろしくお願いいたします。

教育局長:
 ふるさと納税の仕組みを活用した教育活動の充実については、横浜市や川崎市で実施されており、その仕組みは寄附する人が寄附先の学校を指定して、児童生徒の教育活動の向上に資する消耗品や備品の購入のための寄附金をふるさと納税として納めることができるというものです。まずは、先行自治体の状況を調査研究していきます。
 次に、不審者対応については、全ての学校で、各校の危機管理マニュアルに基づき、不審者が学校に侵入した場合を想定した避難訓練を定期的に実施しています。
 その際、警察等の外部機関と連携し、児童生徒には避難の仕方や身を守る行動等を学ばせるとともに、教職員はさすまた等の防犯用具の使い方や児童生徒を守るための防御方法について指導を受けています。

総務部長:
 物価高騰への対応について、市が契約している工事請負契約で、令和4年度にスライド条項を適用し、変更契約した実績はありません。
 なお、市で発注を行う際には、最新の単価を用いることで材料費等の高騰の影響を最小限にとどめるよう配慮しています。

黒田健祐:
 順次、2次質問等させていただければと思います。
 まず、ふるさと納税についてであります。
 横浜市や川崎市で実施しているような使途の指定等の仕組みについて、有用性を含めてどのように考えられているかというのを改めてお伺いをさせていただければと思います。

教育長:
 各学校が主体的にそれぞれが抱える課題を解決したり、独自の取組を推進したりするための予算がふるさと納税で確保できるということであれば、大変魅力があると感じています。
 しかし、個別に寄附先の学校が指定できるという仕組みであれば、市内に48校ありますので、その公平性が担保できるのかというような心配もございます。
 先ほど局長が答弁しましたように、その先行自治体の状況を調査研究したいと考えております。

黒田健祐:
 御答弁の中で、公平性の担保ができるか懸念もあると言及されておりましたが、どういったことを懸念されているのか、具体的にお知らせいただければと思います。

教育長:
 市内には小中、そして義務教育学校が48校あるわけですけれども、寄附する方がその寄附先を指定できるということになると多く集まる学校と少ない学校ができてしまって、それぞれの活用に学校で差ができるのではないかと心配しているということであります。

黒田健祐:
 ふるさと納税の制度上の技術的な質問をしたいと思います。
 例えば、A校指定で金額が振り込まれる制度をつくったとします。その一部、1割か2割かは多分設定できると思うのですけれども、それをそのほかの市内の学校に配分する仕組みはつくれますか。その配分の仕方も均等に配分するとか、集まってない学校に人数とかの係数を掛けて重点的に配分するなどの制度の詳細設計がこちらの裁量で行えるのかどうか、お伺いをさせていただければと思います。

政策イノベーション部長:
 一般的にはふるさと納税の使い道を示した上で寄附を募りますので、全学校へ配分することを示していれば制度上可能です。

黒田健祐:
 そうしますと、不公平感という点に関しては、制度の設計の仕方によって、完全とはいかないまでも、ある程度こちらの裁量でコントロールできるものであろうとも思います。それ以外にも現時点で検討するに当たり、見えない論点もあろうかと思いますので、教育局側の調査研究を注視し、その判断を待ちたいと思います。
 最後に、意見を申し上げて終わりたいと思います。
 つくば市のふるさと納税の流出額は10億円を超え、看過できない状況であります。現在、担当課においても、その取組がなされていることは承知しておりますが、それでも受入額の拡大による流出分の差分を埋めていくことができるかどうかは、より一層の努力が必要であると感じているところでもございます。
 この制度を取り入れるに当たり、有利な環境要因としては、1つはふるさと納税制度自体の活用が加速をしていること、2点目はつくば市の児童生徒が増えていること、それは、その御家族、関係者がその分存在しており、この制度の趣旨を訴求できる対象が一定程度存在をすること、そして、3点目はつくば市は教育のまちと呼ばれるくらい、教育に対する行政需要が高いこと。以上を考えますと、市外に流出する納税先を市内にとどめる1つの軸をつくることは、流出を抑える方策になるのではないかとも考えるからであります。
 横浜市には、ホームページにあるふるさと納税教育活動の充実の御案内の記載があります。これは、市内にお住まいの方への返礼品はありませんのでどの程度インセンティブが働くかという点はありますが、自分の子供が行っている学校の教育活動の充実にということをうまく伝えられれば、ここは結構重要なポイントだと思っていまして、どのようにプロモーションをして訴えるか、これができれば選択肢の1つとして有用なものになるのかなとも考えております。ぜひ調査研究の結果を待ちたいと思います。
 この質問は以上で終わりたいと思います。
 2点目であります、不審者対応について、2次質問をさせていただきます。
 教職員に対して、警官等が護身術等を教えていますでしょうか。また、児童生徒に対して何か指導や教えていることはありますでしょうか、答弁を求めたいと思います。

教育局長:
 教職員と児童生徒が護身術を学ぶ機会については、教職員は、ほぼ全ての学校でさすまたの使い方の訓練を行っています。また一部には、腕をつかまれたときの対処法などの護身術の訓練も行っている学校もあります。児童生徒には、見慣れない人が校内に入ってきたときには近づかないこと、先生にすぐに連絡することなどを伝えています。

黒田健祐:
 この訓練で確認しているポイントや狙いのところをお知らせいただければと思います。

教育局長:
 避難訓練の狙いについては、児童生徒、教職員が児童生徒の安全を守る行動を身につけることと危機管理意識を高めることにあります。
 実施のポイントとしては、侵入者の発見と不審者か否かの判断、不審者侵入を不審者本人に気づかれない方法での校内周知、児童生徒の避難時間を確保するための不審者からの防御及び移動の阻止、児童生徒の掌握と避難誘導などが挙げられると考えています。

黒田健祐:
 マニュアルに沿って、各学校訓練対応を行っていることがうかがえました。
 1点、これも意見、最後申し上げて終わりたいと思います。
 それは、教職員対象に護身術の講習等を行ってはどうかということであります。
 教師はこのようなとき、逃げられません。もちろん、既存の危機管理マニュアルの確認を都度行うことは言うまでもなく、重要なことであろうと思います。
 なぜ教職員対象に護身術の講習等を行ってはどうかと申し上げますのは、ユーチューブで、学校、不審者、訓練と検索をすると、様々な地域での学校での不審者対応訓練の様子がニュースになっているのが散見できます。そのどれもが、さすまたを手にした教師、そしてサングラスとマスクと帽子をかぶりナイフを構えた、いかにも不審者といった構図で訓練が繰り広げられております。これはこれで不審者が侵入した場合、児童生徒の安全を確保し、不審者から隔離し、その情報を全校で共有し、不審者を押さえ込むという点においては重要であろうと思います。
 しかし、不審者は不審者らしい格好をしているケースばかりではないと思います。善良な市民の風貌で、音もなく静かに侵入される、そういった不測の事態を想定した場合、いかにその瞬間、その場にいる大人が戦わなければならない状況が生じると思います。そういった場合、とっさに例えばベルトを外して威嚇をするとか、身の回りの用具を武器として使用して戦わなければならない、そういったケースもあると思います。
 これは知識がないと、瞬時の判断で行動に移せないものであります。知識として教職員の方に身につけておけば、これは時間がたっても失われることはないと思います。一部学校で腕をつかんだときの対応を実施されているとおっしゃっていましたけれども、様々なバリエーションあろうかと思いますので、そういったものを教師の方々に伝授するというか、そういったのも1つの対応の有意なものになるのではないかということで御提案をさせていただきます。
 以上でこの質問を終わりたいと思います。
 最後、物価高騰に対する対応についてを質問したいと思います。御答弁ありがとうございました。
 つくば市においてこの1年間で、工事請負契約でスライド条項適用に関する相談はありましたでしょうか。また、あれば、その件数と内容をお知らせください。

総務部長:
 昨年度1年間ですけれども、スライド条項に関する相談は3件ありました。いずれも資材価格の高騰に関するものでありまして、変更契約の対象になりますかというような内容のものでした。

黒田健祐:
 今年度の相談件数は何件でしょうか。

総務部長:
 今年度は2件の相談が今来ております。この2件も資材価格の高騰に関する相談になっております。

黒田健祐:
 2023年3月24日の国土交通省報道発表資料を見ますと、単品スライド条項やインフレスライド条項の運用基準を策定している団体として、市町村は約3割程度であるということが確認できます。
 つくば市は策定していますでしょうか。

総務部長:
 当市においては、単品スライド条項、それからインフレスライド条項の運用基準というものは、策定はしておりません。

黒田健祐:
 これも今年4月の新聞報道を見ますと、公共工事の入札及び契約の適正化に関する調査の結果に関し、スライド条項の運用基準が定められていないなどの回答が多く、適切な対応を求めているとあります。また、先ほどの報道資料には以下のような記載があり、ちょっと引用させていただきますと、「条項については工事の請負契約の締結に当たって適切に設定するとともに、労務や資材の価格変動の状況に応じて適切な運用を求めた。ほかにも運用基準についてあらかじめ策定し、受注者とあらかじめ共有しておくことが望ましいとした」とあります。
 これに関して、単品スライド、インフレスライドの運用基準はつくば市は策定されていないので共有はできないと思いますが、受注者とのやり取りに対する工夫や何かそれに準ずる対応はなされていますでしょうか。

総務部長:
 相談があれば、茨城県の運用基準に準じましてスライド条項の運用の可否を判断していますが、この制度について受注者へ浸透し切っていないということも考えられますので、今後はまたさらなる周知を図ってまいりたいと思います。

黒田健祐:
 ちょっと同じ質問になるかもしれませんが、つくば市は運用基準がありません。古河市ではつくっているのですね。ホームページを見ますと、運用変更についての案内ですとか、その変更点ですとか、様々確認できます。
 つくば市は運用基準がなくても、それに遜色ない対応を行っているという理解でよろしいでしょうか。改めて確認させていただきます。

総務部長:
 古河市もそうなのですけれども、茨城県の運用基準に準じてやっておりますけれども、本当に相談から適切な対応をさせていただきたいと思います。

黒田健祐:
 この質問をする背景といたしまして、やはり物価高騰によって仕入れる材料の値段が上がっているという声もありましたし、つくば市の対応はどうなんだという声もありました。
 また一方で、案件名は申し上げませんが、スライド条項適用に関して、適用には至らなかったもののしっかりと担当課が対応してくれたという声もありました。物価高騰により様々な影響が現在進行形で続いておりますので、ぜひ、御答弁の中にもありましたように、この制度について受注者に浸透し切ってないことが考えられるので、制度のさらなる周知を図っていくともありましたので、その周知と、あと相談があったら丁寧な寄り添う対応を要望させていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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