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令和4年6月定例会一般質問(旧消防本部跡地利活用について/ヤングケアラー支援について/就職氷河期世代支援に係る中途採用について/組織開発推進室について)

【要旨】

1 旧消防本部跡地利活用について
 現在の進捗状況について伺います。
2 ヤングケアラー支援について
 現在の取組状況について伺います。
3 就職氷河期世代支援に係る中途採用について
 令和4年5月12日付けで総務省から「地方公共団体における就職氷河期世代支援に係る中途採用の一層の推進について」との通知が出されていますが、当市における対応について伺います。
4 組織開発推進室について
 昨年度、新設されましたが、これまでの取組と今後の取組予定について伺います。


【会議録】

黒田健祐:
 つくば自民党・新しい風の黒田でございます。通告に従いまして一般質問を行います。
 まず、1点目でございます。旧消防本部跡地利活用について伺います。
 現在の進捗状況について伺います。
 2点目であります。ヤングケアラー支援についてであります。昨年の6月定例会において一般質問をさせていただきました。
 現在の取組状況についてお伺いをさせていただきます。
 3点目であります。就職氷河期世代支援に係る中途採用について伺います。
 令和4年5月12日付で総務省から「地方公共団体における就職氷河期世代支援に係る中途採用の一層の推進について」との通知が出されていますが、当市における対応について伺います。
 4点目であります。組織開発推進室についてお伺いをさせていただきます。
 昨年度新設されましたが、これまでの取組と今後の取組予定についてお伺いをさせていただきます。
 以上、壇上からの質問になります。よろしくお願いいたします。

福祉部長:
 旧消防本部跡地の利活用については、筑波大学がPFI事業で整備する建物の一部を市が賃借し、児童発達支援センターを設置する予定です。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で事業スケジュールが遅れていることから、令和5年度末に予定していた児童発達支援センターの開設が令和6年度になる見込みですが、詳細日程については現在、筑波大学と協議をしています。
 また、児童発達支援センターで予定している事業については、開設に先立ち、順次、実施しており、令和4年度からは、新たな家族支援事業であるペアレントメンター活用事業を実施しています。

教育局長:
 ヤングケアラーの支援に関する学校での取組については、生徒指導等の研修の中で扱うとともに、子供の変化を早期発見するため、日常の観察を強化しています。さらに、保護者や児童生徒に対して学校だより等を活用し、24時間子供SOSダイヤル、子供の人権110番等の相談窓口の周知を継続しています。なお、現在、茨城県では、ヤングケアラーの実態把握のために調査が実施されています。市内では、小学校1校が抽出され6年生が対象に、中学校は全ての学校の全生徒が対象になっており、既に回答をしています。

こども部長:
 ヤングケアラー支援については、子供に関わる人や関係機関とともにヤングケアラーの可能性があるという視点を持って接しています。ヤングケアラーであると分かった際には、家庭訪問等で保護者や子供との面接を行い、必要なサービスにつなげ、その後の見守りも行っています。
 昨年度は、子供が兄弟の面倒を見るために学校を休んでいる事案がありましたが、保護者を福祉サービスにつなげたことにより、子供の学習する権利を守ることができました。また、昨年度も掲載したホームページや広報紙などを活用し、ヤングケアラーへの理解が深まるよう広報啓発を行い、適切な支援につながるよう相談支援活動を行っていきます。

総務部長:
 就職氷河期世代支援に係る中途採用については、これに限定した採用は実施していないものの、平成29年度以降、消防士等の特定の職を除き満59歳まで受験可能としており、実際に就職氷河期世代に該当する30代から50代の採用実績があります。
 次に、組織開発推進室については、職員が何でも言い合える風通しのよい職場を目指すため、令和2年度に市長と100人以上の職員が意見交換を行った結果、職員のよい行動例や悪い行動例など様々な課題があったことから、令和3年度に組織開発推進室を設置し、組織開発を推進していくこととしました。
 主な取組としては、市が目指すビジョンなどを改めて共有し、心理的安全性の理解を深めるため、各部の管理職と市長との意見交換会を開催し、その後、順次、課、室の職員との意見交換会を開催しています。また、対話を通して職員に新たな気づきや行動を促すためのコーチング研修等を実施しています。これらの取組を通して、常に自由な意見を言えるよりよい職場づくりを目指しています。

黒田健祐:
 順次、2次質問に移行させていただければと思います。
 まず、旧消防本部跡地の利活用についてであります。
 当初の予定から、今現在どのぐらい遅れが出ているかお教えください。

福祉部長:
 当初の予定では、令和4年、本年の夏頃に児童発達支援センターの供用を開始する予定でございました。現在は令和6年度中の開設予定となっておりますので、2年程度遅れが出ているということになります。

黒田健祐:
 2年程度コロナ禍の影響で遅れているということだと思います。その分、児童発達支援に係る市の施策ですとか計画に影響が出ていると思いますが、どのような対応をしていますか。また、そのほか遅れに伴い、どのような影響が出ているかお知らせください。

福祉部長:
 児童発達支援センターで予定している事業につきましては、建物の供用開始に先立って、令和2年度から障害児相談支援事業、それから、令和3年度からは保育所等訪問支援事業、本年度からペアレントメンター活用事業を順次、実施しております。児童発達支援センターの開設を待たずにできるものについては、今後も必要な事業を実施していきます。
 また、新設の児童発達支援センターには、当事者や保護者同士が相談できる場をつくる予定となっておりまして、設置が遅れている関係で、現在は相談できる場が少ないということが課題となっております。この課題についてですけれども、当事者や保護者同士が相談できる場については、つくば市障害者自立支援協議会で実施に向けた検討を始めるところでございます。

黒田健祐:
 当初の予定から遅れていますけれども、順次、対応できるところは対応されているのかなと確認をさせていただきました。
 最後、意見を申し上げさせていただければと思います。
 令和2年3月10日に行われましたつくば市公有地利活用方策検討会に、当時、参加をさせていただいた記憶がございます。この質問をするに当たり、そのときの議事録と資料を改めて見返しました。公開されています資料5の「春日消防本部跡地の利活用について」の3の利活用の事業概要を見ますと、(2)利活用内容からは、近接する筑波大学の学術、診療機能等の協力が必要であり、連携して事業を実施していくという記述がございます。また、令和元年7月に出されました「つくば市児童発達支援センター整備に関する提言」においても、メリットとして、筑波大学附属病院に近く、大学と連携した事業になると言及をされております。その条件を前提とすれば、場所的には適地であると改めて感じたところであります。
 また1個戻って、先ほどの資料5(3)の本利活用に関する検討経過からも、当時の市議会全員協議会と2回の住民説明会においても否定的な意見はなかったと確認をしております。児童発達支援センターの新設は、切れ目のない支援体制を整備する上で重要であろうと思っております。今回、PFI事業ということであり、現在、コロナ禍で、経済的な影響で民間企業の新規投資が進んでいないのかなと推察されますが、適宜、つくば市としても筑波大と情報連携をし、話を進めていっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 この質問は以上で終わります。
 続きまして、ヤングケアラーについてお伺いをさせていただきます。
 2次質問、教育局にお伺いさせていただければと思います。
 今、県が行っているアンケートを回収して、そのデータの調整を行っているかと思います。アンケートが出た後、教育局としてどのような対応をしていくのかお伺いをさせていただければと思います。

教育局長:
 県が行っていますヤングケアラーに関する調査の結果については、統計データのみで個別の状況が把握できるものではないようですが、できる限りヤングケアラーの支援につなげるよう、県から提供されるデータの活用について検討してまいりたいと考えております。

黒田健祐:
 昨年も伺いましたが、ヤングケアラーについて、教育長のお考えをお伺いをできればと思います。

教育長:
 ヤングケアラーについては、本人からはっきりと私がヤングケアラーですということはほとんどないと思いますので、周りがとにかく早く気づいてあげることが重要だと思っています。常日頃から児童生徒と接している教員が、児童生徒の小さな変化に気づいたり、個別面談等の教育相談で、児童生徒が家庭の状況を教員にふと漏らしたりすることが、その発見につながるものと思います。そして、そのような兆候を感じた場合には、スクールソーシャルワーカーを活用して家庭の状況を観察してもらうとともに、関係機関と速やかに連携していくことで問題の解決につなげていくということが大事だと思います。
 前回の答弁でもお答えしましたけれども、教員や子供自身の認識を高めるということがとにかく大事だと思いますので、前回も全ての校長にメールで連絡するとともに、校長会で話をしました。今回はもう少し進んで、全ての先生方に出すメッセージにそういうことを扱ってみようかなと思っています。そのようにして認識を高めて、発見、解決につなげるようにしていきたいと考えています。

黒田健祐:
 認知に関して申し上げさせていただきます。令和3年度のヤングケアラーの実態に関する調査研究が、本年度も厚生労働省のホームページに、最新バージョンが公開されています。昨年、質問したときの令和2年度の調査は三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が行っていたんですが、令和3年度は日本総合研究所が行ったみたいです。また、有限責任監査法人トーマツが行った調査研究も公表されておりまして、社会的にヤングケアラーへの調査研究が加速していると感じております。茨城県以外もアンケート調査を行うなど、社会的に取組が行われているのかなと感じております。
 この認知に関しまして、令和3年度の日本総合研究所が行った調査からは、このヤングケアラーの概念を知っている学校は約9割と、一昨年の調査では大体6割でありましたので、この1年で大分概念に関する認識も高まったのかなと思います。今、教育長からも、学校校長会を通して周知を行ったですとか、そういった努力もあると思いますし、この1年、私が感じているのは、結構メディアを通してそういった概念が一般国民に知れ渡っていったのかなとも思っております。そして、本県においてもその調査が進んでいるということで、その進捗に関しては、今後とも注視をしていくところでございます。
 このヤングケアラーに関しての段階的な流れというところは、まずは認知の普及というところであろうかと思います。先ほどの学校9割と、一昨年よりも上がったというところもメディアの果たす役割も多かった部分もあるでしょうし、学校での努力というところもあったと思います。一方、学校では9割と高いものの、当事者の可能性がある生徒に関しての認知度というのはまだまだ低いものがあろうかと思います。先ほど1次答弁の中でも、様々、生徒に対する啓発とかも行われている事例が確認できましたので、それらも進めていっていただければと思います。また、これは補足ですけれども、一般国民調査においてのヤングケアラーの認知度、これは全国民対象ということだろうと思いますが、「聞いたことがあり内容も知っている」が29.8%、「聞いたことはあるがよく知らない」が22.3%で、「聞いたことがない」これが48%と一番大きいわけですから、まだまだ低い現状が見て取れている状況だと思います。
 今、この1段階目としては、啓発、認知が進んでいる状況の中で、2段階目としましては、前回も申し上げさせていただきましたが、ヤングケアラーの捕捉というのは学校が一番適しており、多く捕捉できる場所なのかなと思いますので、気づく場所として、そこを今後、どういう形でやっていくのかというのも1つの課題であろうかと思います。そして、3段階目として、実際にその対応、これは教育現場から福祉部門へと対応が移行していくと思います。これは家庭内への介入にありますので、家庭と公の線引きの中で、対応というのは個々、別々に応じていかなければならないと思いますので、その難しさはあると思いますが、今、光が当たり始めていますので、この一連の中の流れの中で課題解決に向けて取り組んでいっていただきたいと思っております。
 最後、このヤングケアラーに関して、市長の見解をお伺いをさせていただければと思います。

市長:
 議員が様々に御指摘された問題をどう解決していくかというのが、本当に今、スピード感をもって求められる部分だろうと思っています。特にその認知度の部分については、やはり中高生、当事者の認知度を上げないことには、この問題は決して解決しないだろうと思っています。
 国においても、令和4年度から令和6年度までの3年間をこの認知度向上の期間として、中高生の認知度5割を目指す広報啓発を実施するということは行われていますけれども、市においても、常にこれでもかというぐらいその情報を出すことによって、まず知ってもらうと。ひょっとしたら自分がその可能性があるかもしれないよと、そういうことを気づけるような体制をつくるということ。そして、その先の、ひょっとしたら自分がヤングケアラーかもしれないなとか、あるいは、周囲が気づいたときにもスムーズに相談できる体制をきちんと、医療、介護、福祉、教育、様々な場面で整えておく必要があると思っています。
 そういう意味でも、この4月からつくば市の庁内の体制としても、こども未来室と子育て相談室を統合して、こども未来課に格上げをして、より適切なコミュニケーションが庁内でも取れ、必要な子供、あるいは必要な家族に対して、継ぎ目のない支援というのを目指して仕事をしているところですので、早期に発見して適切な支援をするということを、きちんと役割を行政としても果たしていきたいと考えています。

黒田健祐:
 どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは続きまして、就職氷河期世代支援に係る中途採用について確認をさせていただければと思います。
 国からの通知に、地方公共団体における就職氷河期世代支援に係る中途採用に関する調査の結果という別添2の資料がついているかと思います。各自治体の調査結果が、この資料に当たるかと思います。資料は事前に目通していただいているかと思います。
 1点目は、つくば市は令和3年度実施団体数のBの就職氷河期世代が受験可能な中途採用試験、市区町村区分1,720団体中841団体に含まれているか。
 2点目は、つくば市の実施予定状況について、令和4年度、令和5年度は市区町村区分の実施予定で、Bの就職氷河期世代が受験可能な中途採用試験に含まれているという認識でよいかというのを確認をさせてください。よろしくお願いいたします。

総務部長:
 議員おっしゃるように、つくば市は、こちらの国からの別添2の実施予定状況で、市町村区分で、令和3年度はB区分、令和4年、令和5年は実施予定でB区分に含まれているという認識で間違いございません。

黒田健祐:
 就職氷河期世代支援は、令和元年6月に閣議決定した骨太方針2019年における就職氷河期世代支援プログラムに基づき、令和2年度から3年間を集中取組期間として、正規雇用者数30万人増加の目標で、官民を挙げて取り組んできたところであります。しかしながら、コロナ禍のこの2年は正規雇用者数の伸び悩みがあったと思いますし、国においても、今後とも継続的に取り組む方針を示しているところであります。この課題に関しては、官民を合わせて取り組み、その機運を醸成して社会全体で受け止める責務があると私は考えておりますので、今回この質問をさせていただきました。つくば市も対象者にその門戸を開いているということに関しては一定の評価を申し上げさせていただいて、この質問を終わりたいと思います。
 それでは最後、組織開発支援室について、お伺いをさせていただきます。
 御答弁ありがとうございました。最初の答弁の中で、市が目指すビジョン等を改めて共有しという御答弁がありました。ビジョンの共有は未来構想ですとか、市長公約ロードマップとか、何に基づいて行われているのか、そこのところの確認をさせていただければと思います。

総務部長:
 ビジョンの共有に当たっては特に計画等に基づくものではございませんが、職員との意見交換会で市長が自ら市のビジョンである「世界のあしたが見えるまち」の目指す姿を直接語ることで、共有を図っているところでございます。

黒田健祐:
 折々にこのビジョンの共有というのは、大変重要であると思っております。欲を言えば、深掘りするのであれば、ビジョンがあって、それを取り囲む形で未来構想ですとか、市長公約ロードマップとか、各課の計画があり、日々、職員の皆様は業務に忙殺されていますので、常にそれを見ろとか意識しろとはできませんから、折々にそこは見てもらえると意識もできるのかなというのは感じたところでございます。そうすると、よりビジョンの解像度が高まってよりよい方向に行くのかななんて個人的には感じましたので、そこは意見を申し上げさせていただければと思います。
 あと、最初の答弁の中で、心理的安全性の理解を深めるとありましたが、これはどういったことなのかをお知らせいただければと思います。

総務部長:
 令和2年度の市長と職員の意見交換によって、理想とする組織の形である心理的安全性が高いチームということが導き出されましたので、心理的安全性を高めることを重要な要素の1つとして組織開発を進めています。
 心理的安全性は、話しやすさ、助け合い、挑戦、新規歓迎の4つの要素からなり、各要素についてそれぞれ意見を出し合う、プロセスを通じて参加した職員自身がより心理的安全性が高い行動を取っていくことを目指しています。

黒田健祐:
 この質問をさせていただいて、私は初めてこの心理的安全性という言葉を知りました。それで、早速グーグルで検索をさせていただいて、今、注目されているのかなとも感じました。というか、グーグル自体が実証実験の中で、生産性向上の最重要要素として位置づけた概念でもあるということも調べたらありましたので、そういったものなのかなとも思いました。
 この内容に関しましては、私からここで特段申し上げることはしませんが、つくば市の組織開発が目指しているところとして賛同するものであります。また、最初の答弁で、意見交換を100人以上と行って、よい行動例、悪い行動例と課題に言及されていますが、具体的にどういったものがあったのかお教えいただければと思います。

総務部長:
 市長が100人以上の職員と意見交換をしましたので、よい行動例、悪い行動例、それぞれ約150件程度の様々な意見がありました。主なものとして、よい行動例としては、話しやすい雰囲気を出す。市民、同僚、部下など周囲に対して思いやりを持った行動を取る。前例に捉われない挑戦を受け入れるなどがありました。悪い行動例としては、話しかけにくい雰囲気を出す。失敗した際に手を差し伸べてくれない。提案を受け入れてくれないなどの意見がありました。

黒田健祐:
 次に、一方で、ワークライフバランス推進室ですか、労務管理ですとかハラスメント対策なども行っている部署、室があるかと思いますが、そことの連携についてお教えいただければと思います。

総務部長:
 この組織開発の取組によりまして、話しやすさや助け合い等の要素が向上して、組織内の心理的安全性が高まることで、各種ハラスメントが起きにくい組織、風土の醸成が期待されます。また、助け合いによる業務の平準化により、長時間労働の防止にもつながるなど、ワーク・ライフ・バランスの推進の面でも本当によい影響が出ているものと思っております。

黒田健祐:
 1年間行ってきたかと思いますが、成果としてどのような効果を確認しているか、改めてお伺いさせていただければと思います。

総務部長:
 おおむね1つの部署で大体6回程度、組織開発の意見交換を実施しておりますが、参加した職員からは、定期的に自身のコミュニケーションを見詰め直したいとか、相手の話を傾聴できるように心がけたい。部下を承認することの大切さに気づいた。助け合いを実践してみようと思うなどの感想や意見が出されました。実施部署の職員に心理的安全性を意識づけるとともに、高めていく効果があったものと考えております。

黒田健祐:
 組織開発を推進する市長の思いについて最後お伺いをさせていただこうかと思いますが、その前にお話させていただければと思います。
 この質問を作成していて、思い出したことがありました。それは、市長が1期目の就任時に議会で行った就任の挨拶であります。平成28年12月定例会冒頭の挨拶であります。これは余談ですけれども、議事録見ましたら、議会も改選でしたので、冒頭進行は議長ではなくて当時の議会事務局長、相澤局長が行っていたということも懐かしく思い出されたところです。
 そのとき市長は、たしか3つの勇気の話をされておりました。1つは、立ち止まる勇気。これは行政の無謬性の神話からの開放についてお話されていたかと思います。2つ目は、オープンに変化する勇気。これは情報公開とか、経過の共有とかのことだったと思いますがね。3つ目は、寄り添う勇気について。これは相手が何を望んでいるか深く理解するコミュニケーション能力に言及されていたと思います。改めて読み返しますと、これらは行政職員に向けた文脈で語られていたのかなとも、改めて読み返して感じたところでありますし、それは市民第一の市政の実現、世界のあしたが見えるまちの実現のためということなのでしょう。
 この組織改革が目指すところというのは、当時の市長挨拶で語られたことの延長線上にあって、今、その具現化を目指してやっているのかなあと、すうっと落ちたところもございました。そういった中で、この組織開発に関する思い、市長の最後に思い、答弁をお聞かせいただければと思います。

市長:
 私の就任時の挨拶を引用していただきまして、ありがとうございます。議員御指摘のとおり、あのときの挨拶というのは、もちろん議員の皆様に私の考えをお示しすることもそうですが、職員に対してこういう市政をつくっていこうと、そのような思いを込めたメッセージでもありました。
 組織開発は私の2期目の最優先事項の1つとして、私自身、秘書課に無理を言ってかなり時間を取って職員と対話をしています。組織開発というのは、対話をするプロセス自体が極めて重要ですので、部の意見交換会では私自身がコーチ役となって、各部の、例えば使命は何なのかとか、例えば、先ほど来総務部長が答弁していますけれども、総務部って何のためにあるんですかとか、そういう一見当たり前のように今までされてきたことを改めて自分たちの使命を問い直すことであったり、考え直すことであったり、あるいは自分たちの存在意義ということから問いを投げていって、組織についての対話をする機会を増やしていっています。
 一方で、まだまだ一部の部、今も部としては数部行って、そこから各課に順次やっていって、まだまだ限られていますけれども、やはり私が直接、先ほど来お話にあるビジョンについてだったり、組織開発を進める中で、世界のあしたが見えるまちを実現したいと思いますし、職員自身にもその変化を感じてもらいたいと思っています。
 1点だけ、これもつい先日の組織開発の時間で、中堅職員がこんなことを言っていたんです。今まで、もう組織というのは人事次第だと思っていたと。要するに、その年の人事異動でいい人が来ればラッキー、いい人に当たればラッキー、ちょっと厳しい人に当たったらアンラッキーといったようなことだったけれども、組織開発という概念によって、そうではないのだと、それを自分たちが働きかけることによって、それをつくっていくことができるのだという視点が持てたと。私、今、意訳をしていますけれども、そのような発言をしていたんですね。それは非常に大きな視点の変化だと思っていまして、今までであれば、ただそこで、つらくても何しても耐えて、受け入れていて、結果としてチームのパフォーマンスが下がっていたものを、今は心理的安全性が高いチームをつくることによって、チームとして結果を出していくと、そのためには、ときに言いにくいことも言うと、お互いに何でも言い合うと、そして、困っていれば助け合うとかそういったことが、少しずつですけれども、その組織開発を行っている部署においては変化が生まれてきていると思っています。かなりエネルギーも使いますけれども、本当に重要なことですので、今後も私自身が直接関りを持ちながら、そして、昨年度のコーチングのプログラムで育成されたコーチたちもいますし、そういったコーチたちがまた今、活躍をしてくれていますが、そうやって庁内にもコーチをどんどん増やしていくと、そういう中で、ビジョンの達成に向けて、本当に市役所全体が1つの心理的安全の高いチームとなるように努力をしていきたいと考えています。

黒田健祐:
 それではこの点に関しては最後に、今後、注視をしていくんですけれども、2点ほど見ていきたいところがありますので、最後述べさせていただいて、またどこかのタイミングで質問をさせていただければと思います。
 1点目は、今回、心理的安全性を高めると、働く場の環境がよくなると。コミュニケーションも取りやすくなるし、ときには衝突もあるんでしょうけれども、それは何のためにあるかといったら、ビジョンを達成していくため、目指すために行っていくというところだと思うんですね。この質問をさせていただいていて思ったのが、前教育長の門脇教育長が、社会力をつければ学力はおのずとそれに応じて、だから、学力を求めるのではなくて社会力をつければおのずとそれに応じて、ドミノ倒しのように導かれると。それが似ているなと思いまして、行政も結果を求めるというのも大切なんでしょうけれども、まずはその環境をつくる。ただ、それは何のためにかといったら、生産性の向上、パフォーマンスの向上、それはビジョンの達成、市民の幸福につながるために行っていくということだろうと思うんですね。
 ですので、今回1年間、どういった形で環境をつくってきたかというのをお伺いをさせていただきましたので、多分、いろいろな課において生産性の向上っていろいろあると思うんですね、形は。さっきの答弁の中で、残業が減りましたとか、例えば、停滞していった事業がブレイクスルーさせたとか、様々な形はあるんでしょうけれども、そういったところを組織開発、管轄されている総務部としては、どういった形で各課、結果が、パフォーマンスが上がっているんだろうというのは見ていっていただきたいかなと。私もそこは見ていきたいかなとも思います。それはそれで目指すのではなくて、そこの組織でうまくやっていくと。それが1点目ですね。
 2点目が、これから私も概念については勉強しようかなと思って、今日は間に合っていないんですけれども、グーグルが研究を実証実験してやったというところで、行政組織との親和性ってどうなのかなと、今、興味を持ったところです。改選前、私は、行政はクリエイティブ業務も大切だよとお話をさせていただいた記憶があります。今、地方自治体ですごく求められていますよね。そういった中で、グーグルは世界的な企業で、本当にクリエイティブ業務の最先端なところですよね。だから、そういったところには親和性は高そうだけれども、行政の業務ってそれだけではなくて、大半がルーチンであったり、法令、条例の中でやっていく部分があろうかと思います。そこに対してどういった効果が発揮されるのかというのも、今後見ていくポイントにはなるのかなと思います。
 ただ、そこの取組自体は、行政というのはものを売っているわけでもないですし、お金を稼いでいるわけでもないし、やはり人ですし、サービス業の部分もあれば、人と接する部分もあれば、単純労務もあったり、今、結構いろいろな企画を求められている部分もあったり、トライアル・アンド・エラーもあったりするかと思いますので、そういった中でよい風の入ってきているのかなというのが、最後、感想を申し上げさせていただいて、まとまりませんが、一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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